習慣化は夢の実現の原動力
小豆島オリーブマラソンを欠場
変な虫が騒ぎ出した?
それはそれで仕方ない。
でも、僕が問題にしたいのは、再びやる気が湧き上がることに、僅かながら疑問を感じている自分が居るということだ。ややもすれば、これを機会に走るのを止めてもいいかも…、くらいに思っていることを、完全に否定することは出来ない。
また、変な虫が騒ぎ始めたのかも知れない。
元来、運動は苦手です
僕が走り始めたのは、2005年頃からだったはず。ちょうどランニングブームに乗っかった形だ。
普段、「運動が苦手な自分」は、かなり頭の中から払拭出来てはいた。生活を仕事中心に回さなければならなくなって、テニスもスキーもご無沙汰に成りがちだったので、身体のパフォーマンスを維持するために、比較的簡単に取り組めるランニングをやってみようと思い立った。
やってみたら、楽しくて仕方ない、と言うほどでもなかったけれど、結構続いた。車や電車でしか行ったことがない場所へ、走っていけるのは楽しかったし、達成感もあった。
週の予定に組み込んだプランが、コンスタントに消化されるうち、ゆっくりと結果も出始めた。
春と秋の2回、毎年小豆島でのマラソン大会にエントリーすることにした。
そして2年前には、ハーフのベストタイム、2時間3分台というところまで辿り着いた。高低差の大きいコースを思うと、僕としては驚異的タイムと言っても良い。
楽しかった。そして嬉しかった。
でも、一方で「これ以上は無理」だという行き詰まり感が芽生えてきたことも事実だった。タイムは頭打ちになるし、しんどくなってきた。
このまま続けてもダメだ。当然次のターゲットとなる、2時間の壁。年齢的な衰え。膝が痛い。やり方を変えたら、もっとしんどいはずだ。もう多分ダメだ。そうに決まっている、今までがそうだった…。
トラウマ
僕は、高校卒業まで一貫して肥満体だった。それを、ずっとコンプレックスに感じていた。運動はとても苦手だった。恥ずかしい思いも、イッパイした。
勉強だって、それほどよく出来る方じゃないし、スポーツはそんな有り様。
「なんか冴えない。結局最後はうまくいかない。そうだ、なんだか僕って、いつも失敗して不貞腐れてる。」
知らぬ間に、自分を引き上げてくれる潜在意識なら大歓迎だが、多くの場合、逆にマイナス方向に作用するから厄介だ。
ここまで来たのに…
昔の僕を知る人なら、50歳を超えて自らの意思で走って、しかも毎年レースに出て完走している、そんな僕の姿は想像出来ないだろう。
そこまで変われたことをもっと評価すべきなのに、積み上げてきたものを否定しようとする。これは、もっと突き抜けるチャンスが来ている、ということだ。その場所までは来られたという事だから…。でも、新しいゾーンに踏み込むことは、恐怖でもある。だって、結局最後はダメになるんだから、そうに決まっているんだから…。
仮に、やってみたら本当にダメだったとしよう。その時僕は「ほら、やっぱりね」と言って妙に納得するだろう。そして「ダメな自分」を更に確信する。
また、不貞腐れているかも知れない。
今、可能性が広がる大きな海に漕ぎ出せないのは、ずっとずっと昔の、自分自身も忘れていたかも知れない自己否定の感情が為せる仕業。本当にそんなことが起こり得るらしい。
進んでいるからこそ怖くなる
立花岳志さんは、成功するための絶対法則は、「止めずに続ける」ことだと仰っている。
止めなければ絶対に成功する。
だから、止めないための仕組みを、ライフスタイルに取り込めばいい。如何に習慣化するかということだ。
ただ、この時一番気を付けなければならないのは、目線を今よりもっと遠くへ置く必要があるということだと言う。そんなに短期間で成果が出るわけではないので、「成果を出すために習慣化する」のではなく、「習慣化するために習慣化する」と考えるべきだろう。視線を切らすことなく、毎日コツコツ続ける。とにかく「続けることを目標に続けてみる。」
あまりにも王道だが、それこそが確実に前進する唯一の方法だろう。大きな痕跡を残したことのない僕でも、容易に想像はできる。
知らぬところへ行く時のワクワク感
さて、この夏僕は新しい一段上のステージに上がって、再び走り出すだろうか?期待を持って、しばらく自分を俯瞰したい。
ウサギのように軽快に走れないことは、十分承知している。亀でいいのだ。今さら急ぎはしない。足元をしっかり見て、確実に進めたらそれでいい。
大きな山を登り切った時、どんな気分になるのだろう。思いっきり嬉しさを味わいたい。そして、達成した者だけが共有できる誇らしさを胸に、この言葉をかみしめたい。
「小さいことを積み重ねるのが、とんでもないところへ行くただひとつの道」
誰にでもできる簡単で小さいことの積み重ねが、鈴木一朗を世界にたった一人の「イチロー」へ変えていった。その事実の一部始終を目撃することが出来た幸運に感謝したい。