僕の魂が海を渡って行ったり来たりする物語

小豆島から大阪へ流れ着きました

特急「やくも」初乗車レポート 〜元気な地方にあるはずの活気〜

「やくも」って何?

松江からの帰りは、特急「やくも」を使いました。始発駅は「出雲市。」途中松江、米子を経て、伯備線で瀬戸内側の岡山へ向かうコースです。旧国鉄時代から続く、381系列車を使った唯一の定期運行列車として残っているそうです。
 
確かに、古い印象はありますが、何度も改良・改装が施された車両で、悪くはないです。ごく普通な感じです。
 
ただ、山間部の急カーブをスピードを落とさずに走れる、「振り子式電車」ってやつで、これがどうも、乗り物酔いする人には評判がよろしくないようです。僕のような鈍感な人には、あまり関係ない話です。
 
Wikipediaによると、「出雲の国」の枕詞が「八雲立つ」だそうで、そこから取った名前だとか…。
 

ゆったり、のんびり 

ゆったりやくも」というキャッチフレーズは、決して掛け声倒れではないと思います。けれど、もっと混んでいたら、別の感じ方をしたかも知れません。前日乗った高速バスの独立シートの方が、ずっとゆっくり出来ました。競争相手も多いので、大変ですね。
 
なぜか僕の前だけ、席そのものが無くて、片側1列になっています。車イスとかベビーカースペースなら、車両の一番前か一番後ろに作るべきでしょうが、そうではありません。ちょっと意味不明ですが、足元が広くなって嬉しかったです。
 
 
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その分、背もたれ裏のテーブルがないので、ひじ掛けの折りたたみテーブルだけ。それが、超ちっちゃい!使えません。
 
 
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山陰に行きたい? 

この何の変哲もない列車が、これまで地域にもたらしてきた恩恵は、それはそれはとてつも無く多大であったことでしょう。これからも勿論そうであって欲しいですが、インフラ整備だけでそれが叶うわけも無く、山陰だけではない各地方に突き付けられた「独自の魅力の発掘」が、充分発揮されているとは思いにくいです。
 
1時間に1本程度だけのこの列車が、山あいの町を駆け抜ける光景が、これからも続いていくかどうかは、分かりません。その成り行きが、この国の地方都市の将来を暗示するものであることは明白でしょう。
 
「やくも」に乗って嬉しかった、ワクワクした、と大人も子供もみんなが感じるとしたら、それは、その時必ずしも「やくも」が最新車両である必要はなく、山陰が元気でありさえすれば叶うものだと思います。
 
その意味で、タクシーの運転手さんが仰っていた「松江城が国宝指定されて、観光客が増えている」というのは、いい動きですね。一過性のものにしないよう、して欲しいです。
 
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