僕の魂が海を渡って行ったり来たりする物語

小豆島から大阪へ流れ着きました

高校駅伝観戦記 〜勝負するために小豆島高校に足りないもの〜

年末の12月20日、京都で恒例の全国高校駅伝大会が開催されました。

 

4回目の出場となった我らが小豆島高校女子陸上部でしたが、よく頑張ったと思います。沿道で観戦した僕は、いつものことながら、彼女らの力走に泣いてしまいました。しかし、今年に限って言えば、感動したというよりも「悔しくて」泣いたのです。

 

着実に進化できるか

昨年の大会は、開催地が京都に移って50年になるのを記念して、各都道府県代表に加えて地区代表の11校と、地元枠として京都からは更に1校が加わったので、全部で59チームが参加する大規模レースとなりました。
 
小豆島高校のチーム目標は、過去最高タイムの1時間13分41秒を上回ることらしいですが、そうなれば40位台の半ばくらいにはなれるかも?って僕は思っていました。
 
もちろん、現実的には順位よりもタイムです。はっきり言って、勝負できるようになるには、10年早いです。まだまだ全国経験4回目程度では、相手に勝つよりも自分に勝てるかどうかが試される段階です。
 

定位置を確保

毎回、阪急西院から西大路を北上して北野白梅町の少し先、第一中継所の手前で声援を送っています。

 

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今回約3キロを歩いて移動中に感じたのは、「慣れてきている」ということ。

 

つまり、初出場の頃はあちらこちらにエンジののぼりや応援旗があって、OBも現役もおっちゃんもおばちゃんも、気合入ってるで〜!ってのが凄く伝わってました。でも当たり前ですが、そう毎年毎年寒いのに出掛けてられるかいな、って感じになってきているのは否めないと思います。なにしろ、勝負になってないですから…。

 

でも、僕は今年も定位置を確保しました。ドキドキしながら、1区のランナーの到着を待ち、そして、何のために此処に居るのかを自問してもみました。

 

母親が陸上部OGであることを除けば、僕自身はほぼ部外者と言えます。けれど、小豆島を故郷として愛しています。だから、島のみんなと感動を共有したいし、島外の人にも幸せを伝えたいと思っています。そのために此処に来ているんでしょうか?そんな力の入った大層な話でもないですが…

 

出遅れた!挽回したけど…

目の前を、1区の藤田さんが過ぎて行きました。でも大きく引き離されています。ダラダラと続く緩い上り坂が相当キツかったのでしょうか、疲れているのが有り有りと分かるほどでした。

 

その後も徐々に引き離されるレース展開で、最後までジャンプアップすることが叶わなかったのはご存知の通りです。

 

これじゃぁ、勝てない

最初にも書いたように、今年のチームもホントによく頑張ったと思います。でも、酷ですが結果は過去最低でした。惨敗と言っていいと思います。

 

僕なりに敗因を分析してみたんですが、ひとつ言えるのは、今のチームには目標がないです。全国に出ることで満足して、そこで終わっています。

 

かなりのモチベーションで臨んだであろう香川県予選では、高松工芸高校とのデッドヒートを見事に制して、代表切符を獲得しました。わずか18秒差。喜びが爆発したに違いありません。

 

しかし、続く四国地区大会では、同じ高松工芸に1分以上の差をつけられて敗れます。この大会で上位に入れば全国への扉を開くことができた高松工芸にしてみれば、このレースは敗者復活戦ですから、勝っても負けても大勢に影響しない小豆島とは、そもそも気構えからして全く別物であったことは、容易に想像できます。

 

そして、その流れを立て直すことが出来ずに、とうとう本番では同じ高松工芸高校に2分09秒もの屈辱的大差を食らった格好です。もっとも、その高松工芸も四国地区大会のタイムよりも1分ほど落としましたから、小豆島高校の崩れぶりたるや、「目を覆わんばかり」と言い切ってもいいでしょう。

 

いつしか、予選通過ではなく全国大会に目標を向けられる日が来ることを、信じ続けたいです。ある程度の力は実証できているので、次のステップに移るべき時ではないでしょうか。

 

田舎の宿命

 このチームもそうですが、外から見ていて「仲が良さそうやなぁ」というのが手に取るように分かります。仲は悪いよりは良い方がいいでしょう。でも、勝負事となれば少し話が違ってくる面もあるはずです。

 

イチローは、トヨタ自動車豊田章男社長との対談の中で、目指すところが同じでありさえすれば「(チームのためではなく)自分のためにプレーしている」と言う選手が集まると強い、と語っています。

 

「チームのために頑張る」と、「自分が頑張ればチームが勝つ」の間には、意外に大きな開きがあるのかも知れません。

 
自分が引っ張るんだ、という気概あるエースを生む土壌にしていくために、これからもただひたすら遠くを見据えて、走り続けることが求められます。
 
小豆島に栄光あれ。信じています。
 

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お手本があるじゃないですか!

今回のレースで僕が一番びっくりしたのは、同じ四国・高知の山田高校が過去最高の7位入賞を果たしたことです。

 
 山奥とは言いませんが、結構な田舎です。その普通の県立高校の女子駅伝チームは、27年連続して全国大会へ出場していますから、地元では敵なしであるものの、全国的にはまだノーマークの部類です。
 
今回山田高校は、高知県予選→四国地区大会→全国大会と進むわずか1ヶ月半の間に、3分30秒もタイムを縮めました。驚異的です。
 
このチームの目標が、予選通過のみにあったわけではないことは明らかです。過去の経験と悔しさを踏まえて、全国で勝負するところに照準を合わせてきたのでしょう。その結果、有数の強豪校である岡山興譲館高校をも上回る、輝かしい結果を残しました。
 
何事もそうです。そこにたどり着くことを信じて、一歩一歩進むことだけが、夢の実現のための唯ひとつの方法なのです。現時点での立ち位置は関係ありません。
 
改めて、それについて確信をもらいました。山田高校のメンバーの皆さんには、心の底から敬意を表し、感謝したいです。
 

次回に期待

今回出場した小豆島高校陸上部女子駅伝チームメンバーは、全員が1、2年生でした。もちろん来年以降の出場が確約されているわけではありませんが、彼女らの成長した姿を目にすることを楽しみにして、静かに見守っていこうと思っています。