高校駅伝観戦記 〜勝負するために小豆島高校に足りないもの〜
年末の12月20日、京都で恒例の全国高校駅伝大会が開催されました。
4回目の出場となった我らが小豆島高校女子陸上部でしたが、よく頑張ったと思います。沿道で観戦した僕は、いつものことながら、彼女らの力走に泣いてしまいました。しかし、今年に限って言えば、感動したというよりも「悔しくて」泣いたのです。
着実に進化できるか
定位置を確保
毎回、阪急西院から西大路を北上して北野白梅町の少し先、第一中継所の手前で声援を送っています。
今回約3キロを歩いて移動中に感じたのは、「慣れてきている」ということ。
つまり、初出場の頃はあちらこちらにエンジののぼりや応援旗があって、OBも現役もおっちゃんもおばちゃんも、気合入ってるで〜!ってのが凄く伝わってました。でも当たり前ですが、そう毎年毎年寒いのに出掛けてられるかいな、って感じになってきているのは否めないと思います。なにしろ、勝負になってないですから…。
でも、僕は今年も定位置を確保しました。ドキドキしながら、1区のランナーの到着を待ち、そして、何のために此処に居るのかを自問してもみました。
母親が陸上部OGであることを除けば、僕自身はほぼ部外者と言えます。けれど、小豆島を故郷として愛しています。だから、島のみんなと感動を共有したいし、島外の人にも幸せを伝えたいと思っています。そのために此処に来ているんでしょうか?そんな力の入った大層な話でもないですが…
出遅れた!挽回したけど…
目の前を、1区の藤田さんが過ぎて行きました。でも大きく引き離されています。ダラダラと続く緩い上り坂が相当キツかったのでしょうか、疲れているのが有り有りと分かるほどでした。
その後も徐々に引き離されるレース展開で、最後までジャンプアップすることが叶わなかったのはご存知の通りです。
これじゃぁ、勝てない
最初にも書いたように、今年のチームもホントによく頑張ったと思います。でも、酷ですが結果は過去最低でした。惨敗と言っていいと思います。
僕なりに敗因を分析してみたんですが、ひとつ言えるのは、今のチームには目標がないです。全国に出ることで満足して、そこで終わっています。
かなりのモチベーションで臨んだであろう香川県予選では、高松工芸高校とのデッドヒートを見事に制して、代表切符を獲得しました。わずか18秒差。喜びが爆発したに違いありません。
しかし、続く四国地区大会では、同じ高松工芸に1分以上の差をつけられて敗れます。この大会で上位に入れば全国への扉を開くことができた高松工芸にしてみれば、このレースは敗者復活戦ですから、勝っても負けても大勢に影響しない小豆島とは、そもそも気構えからして全く別物であったことは、容易に想像できます。
そして、その流れを立て直すことが出来ずに、とうとう本番では同じ高松工芸高校に2分09秒もの屈辱的大差を食らった格好です。もっとも、その高松工芸も四国地区大会のタイムよりも1分ほど落としましたから、小豆島高校の崩れぶりたるや、「目を覆わんばかり」と言い切ってもいいでしょう。
いつしか、予選通過ではなく全国大会に目標を向けられる日が来ることを、信じ続けたいです。ある程度の力は実証できているので、次のステップに移るべき時ではないでしょうか。
田舎の宿命
このチームもそうですが、外から見ていて「仲が良さそうやなぁ」というのが手に取るように分かります。仲は悪いよりは良い方がいいでしょう。でも、勝負事となれば少し話が違ってくる面もあるはずです。
イチローは、トヨタ自動車の豊田章男社長との対談の中で、目指すところが同じでありさえすれば「(チームのためではなく)自分のためにプレーしている」と言う選手が集まると強い、と語っています。
「チームのために頑張る」と、「自分が頑張ればチームが勝つ」の間には、意外に大きな開きがあるのかも知れません。
お手本があるじゃないですか!
今回のレースで僕が一番びっくりしたのは、同じ四国・高知の山田高校が過去最高の7位入賞を果たしたことです。
次回に期待
今回出場した小豆島高校陸上部女子駅伝チームメンバーは、全員が1、2年生でした。もちろん来年以降の出場が確約されているわけではありませんが、彼女らの成長した姿を目にすることを楽しみにして、静かに見守っていこうと思っています。