僕の魂が海を渡って行ったり来たりする物語

小豆島から大阪へ流れ着きました

高齢者の暴走事故は防げない

連日、高齢ドライバーが引き起こす交通事故が報じられている。本気で取り組むべき問題だが、課題は多い。

 

 

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テクノロジーでカバー出来ることは限られる

数多い事故だが、そのタイプは大きく分けて3つだ。

 

  1. アクセルとブレーキの踏み間違いによる暴走
  2. 高速道路等における逆走
  3. 認知力低下による障害物(歩行者含む)への衝突

 

上記3は、1に含まれる場合が多いので、分類すれば2(+1)つと言った方がいいかも知れない。

 

まず、逆走について触れる。これを防ぐ手立ては色々挙げられるだろうが、根絶することは不可能だろう。故意ではなくとも、物理的に逆走可能な道路構造である以上、起こりうる。鉄道のように、軌道側車両側双方に設備を追加して、それを試みようとしてもエンジンが止まってしまうとか、出来なくはないだろうが、そんな莫大な費用を要する施策は現実離れも甚だしい。標識を改善するなどの方法が、全く意味を持たないとは言わないが、限定的であることは否めない。

 

 次にアクセルとブレーキの踏み間違いについて。これも、完全に防ぐことはまず出来そうにない。低い速度域なら、歩行者等の障害物を感知して、自動的に完全停止する技術が実用化されているようだ。あらゆる速度域や全シチュエーションをカバー出来るまでには至らないが、現状ではこれに頼るより仕方ないか?

 

 

MT車の強制使用は意外に効果なし? 

いろいろ調べてみると、今のところ、スバルのアイサイトの仕上がり具合が素晴らしいと伝える報道が多いように感じる。特に発進時において、車の前後に障害物を感知する状況で急なアクセル操作を行っても、その通りの挙動を示すのではなく、車側からドライバーに向けて警告が発せられるという。完全に冷静さを失ったドライバーを、パニックの縁から呼び戻すのに、ある程度の効果を見込めそうではある。

 

僕は、一定年齢以上のドライバーにMT車以外の運転を認めない、という方策が効果的なのでは?と思っていた。しかし、この「パニック」から抜け出せない状況では、運転操作そのものが複雑であろうが無かろうが、暴走の危険度はやはり高いままだ。

 

 

便利さを放棄しようか

詰まるところ、目覚ましく技術が進んであらゆる電子デバイスで完全武装しようとも、事故件数ゼロは到底達成できないだろうし、自動運転が確立された後でもそれは変わらないだろう。

 

飛行機が最も安全な乗り物であるという事実は、多くの人が認めざるをえない。その事故確率の低さたるや、凄まじい。しかし、今でも全くゼロになることはないし、これからもないだろう。

 

現代において、「ゼロでないなら乗りません」と言い放つことは難しい。間接的であるにせよ、その便利さを享受しない訳にはいかない。

 

自動車も、目指すべきはその領域なのだろう。人間の操作に頼る部分が削ぎ落とされて、明らかに安全性が高まったと実感できるようになるというのが、最終的な落とし所なのかも知れない。

 

ドライビングを楽しむことが、人の命を危険に晒す上に成り立っている行為だとするなら、自動運転を当然無条件に受け入れるべきだとする時代が、もうすぐそこまで来ているかも知れない。足音が聞こえているような気もする。

 

 

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