僕の魂が海を渡って行ったり来たりする物語

小豆島から大阪へ流れ着きました

「教える技術」で行動科学を知って、人を育てようじゃないか! 〜本物のリーダーになりたい人必読〜

「私は人を育成するのが得意です」なんて人は、どれくらいの割合でいらっしゃるのだろうか?

 

僕の場合で言うと、残念ながら「全然ダメです」となってしまう。

 

しかし、決して「それでも仕方ないです」と思っている訳ではない。何しろこの本にも書いている通り、「人を育てられるかどうかが、本物のリーダーになれる人となれない人の分岐点」なのだ。本当にそうだと感じる。

 

教え育てることができないのは、単純に、「教え方」を習ったこともなく〝知らない〟から。正しい「教え方」を身につけることで、誰がやっても同じ結果を導き出すという、再現性をも獲得できると、この本では言っている。

 

「名プレーヤーが名監督であるとは限らない」とはよく言われる。名プレーヤーでも何でもない僕のような人が、良きリーダーになろうとするなら、正しい手法を勉強しないといけないことは当然だ。

 

その先には、「成長する人を見るのは嬉しい」という、本能的な領域をも満足させてくれる、そんな喜びを得られるのではないか。上司・先輩としてだけでなく、親としての「心構え指南書」的な名著。少しだが、その中身を紹介する。

 

 

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やる気が足りないからできない?

この本の著者の石田淳さんは、アメリカから「行動分析学」というのを持ち帰り、日本流にアレンジ・発展させ、「行動科学マネジメント」として展開されている、この道の第一人者だ。

 

この手法のどこが素晴らしいのかと言うと、「やる気がない」「甘やかされて育っている」など、とかく教えられる側の性格的部分に問題の原因がある、としてしまいがちなある種の「精神論」を、完全に封じている点だ。そうではなく、「行動」にのみ焦点を当てたその考え方は、シンプルで実現性も高く、納得のいくものと感じられる。

 

例えば、「顧客としっかりコミュニケーションを取っておきなさい」と指示したとしよう。これは、一見ある一つの行動を指示したように映るが、実はその中身が抽象的すぎて、よく分からないという面を孕んでいる。

 

他にも、「絆を深める」「ダイエットをする」「英会話を頑張る」「きちんと整理整頓する」「モチベーションをあげる」「友達とコミュニケーションする」などもそうだ。具体性に欠けるので、本当のところ何をすれば良いのか、困惑する。

 

そういった意味で、これらは行動分析学上、「行動」とは言えない。「行動」を定義するのに必要なのは、「計測できる」「観察できる」「信頼できる」「明確化されている」という、4つの条件すべてが揃うことであるという。

 

だから、営業職の新人に仕事を教える際に、「とにかく売り上げを伸ばすんだ〜!」なんて、どれだけ大きな声で叫んで煽るかよりも、「見込み客に、日に5件以上電話しなさい」とか、「チラシを週に200枚は配りなさい」とか、誰が見てもはっきりと分かる、具体性のある行動の数量的な指針が大切なのだ。

 

 

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正しい行動の回数

また、上層部から発せられる抽象的メッセージを、具体的行動に書き換えて部下に伝える、いわば「翻訳能力」も問われる。

 

もちろん、前述のように数的な目標を加えて指示できれば、その後の評価においても、非常に都合の良いものになる。

 

つまり、結果にばかり注目するのではなく、正しい行動を何回実施したかという点に注目すべきなのだ。なぜなら結果というのは、すぐに現れるものとそうでないものがある。

 

「美味しいものを食べた」と、その結果の「嬉しい」の間の距離はかなり近い。しかし、「新規顧客に営業をかけた」と、「売れた」の間はずっと遠い。たとえ今日は売れなくても、正しい行動を行っている限り、少しずつでも確実に得るべき結果に近付いているのだ。 

 

 

前提条件

当たり前のことだが、「教える」という行為において、教える側と教えられる側に基本的な信頼関係すらないのであれば、それはかなり困難な作業となろう。普段からコミュニケーションが取れているかどうかとか、言動が尊敬に値しているかどうかとか、自分のこれまでの振る舞いを、見つめ・正す良い機会になるという点でも、しっかり身につけておきたい技術に違いない。

 

 

まとめ

大きな括りでは「ビジネス書」ということになるので、部下にどう伝えるか、どう教えるか、プレゼンや勉強会の構成はどうすべきかとか、そういった面に直結した書き方になっている。でも、それとはあまり関係ないこんな僕でも、親としては子供の先輩だし、どこへ出て行っても自分が年長者である場面が増えてきていることを思うと、人を育て成長させていくのは、ある意味自分に課せられた天命なのだろう。

 

恩返しでもあるし、まだこれからも成長し続ける自分自身のための使命でもあるはずだ。

 

 

 

 

行動科学を使ってできる人が育つ!教える技術

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短期間で組織が変わる 行動科学マネジメント

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