大阪クラシック 〜真のプロに求められるプラスα〜
もう今日が最終日だが、今年も行ってきた、「大阪クラシック。」
毎度のことながら、どの会場もたくさんのお客さんで盛況だが、それを支える、運営側のご努力には頭が下がる。
全員が〝当事者〟
会場を貸していただける企業関係者の方々のご理解の上に、この素晴らしいイベントが10年も続いてきた。凄い。パンフレットに書かれた協賛企業の数が、最初の頃からはグンと増えたように思う。街に根付いてきた証だと思う。
演奏者は皆「手弁当」に違いない。その他のスタッフの方々もボランティアだろう。もちろんお客さんもそうだが、こういったものは、「自分も参加者だ」という意識が強いほど盛り上がる。気持ちが繋がっていないと、どうしようもないのだ。
毎年通っている僕としては、そのへんの成長具合が見て取れて、面白い。
リーダーの姿を映している
そして、この発展には、もちろん総合プロデュースの大植英次さんの力が欠かせなかっただろう。特筆すべきは、この世界的コンダクターが、何とも気さくなのだ。このリーダーのカラーがよく表れている。
今年の場合は、全部で81公演。わずか一週間で会場も分散している。トップは何処かに座り込んで、指示だけしていても、まぁ誰も文句は言わないだろう。
ところがこの方、そういうのが性に合わないのか、実にちょこちょこ会場でお会いする。そして、しかも自らマイクを握って、私たちをまず一発沸かせてくれるのだ。
「プロ」のあるべき姿を見た気がする。技術も知識もあるのは当たり前だろう。しかし、それを伝えたい、感動を共有したいという思いが、強いからこそ我々にも響きやすい。
そして気付いた。そうだ、僕は感動したいんだ。だから、感動することをどこまでも追いかけていいはずだ。でも、それを自分の中で完結させてしまってはいけないんだ。
人に伝えないといけない。みんなで感動を分かち合うのだ。不思議なことに、こういうのは、分け合っても取り分は減らない。むしろ、増える。
「プロ」とは、こうあるべきなんだ。目指すべきは、そこにある気がする。
荘厳な空気感の中で、自分の心の内を探る。日常では、時折ままならなくなってしまう思考の迷走を、繋ぎ止める大切な時間が、誰しも必要になることがある。