湯ノ口弘二さん著「コミュニケーションエナジー」 〜ココロの震えが止まらなくなっても知らないよ〜
目次を見ただけでドキドキします
その本を買おうかどうか決定する際に、決め手になるものとは何でしょう?
タイトルだけで決めることもあるでしょう。著者で決めたり、装丁の感じだったりもする筈です。
僕の場合は、目次を見て決めることが多い気がします。
しかし、だからと言ってこの本のように、目次を見ただけでドキドキが止まらなくなるケースなんて、そうは多くないです。それほど、今の僕にタイミング的にもピッタリくるところがあるのでしょう。
コミュニケーションエナジーの底知れぬパワーに思いを馳せる
著者の湯ノ口弘二さんは、その名も「コミュニケーションエナジー」という会社を経営されていて、「人財開発クリエイター」として大活躍されてるこの道のカリスマです。
3万人のビジネスマンの育成に携わってこられたというから、驚きです。
- コミュニケーションが能力を引き出す、人を成長させる
- 人間の一番高い欲求は「共同体の発展欲求」
- 会社の存在意義が会社の意識を高める
- 人財育成とは「はぐくむ愛」を与えること
- 場が人の能力を引き出し、人を育てる
僕が日頃、自分の職場で感じている「なんとなくスッキリしないモヤモヤ感」の正体を、はっきりと書き示す言葉の数々です。
本のページを開いた、まだ最初のところでハートを鷲掴みにされました。読み進まない訳にはいきません。
自分と相手を互いに認め合う世の中
コミュニケーションの大切さの例として、この本ではまず最初に渡り鳥のことを紹介しています。
あんなに小さな鳥が、一生を賭けて何十万キロ、何百万キロもの距離を飛び回れるのは何故でしょう?
もちろん、彼らにその能力が備わっているからです。
しかし、もし彼らが完全に別々に、たった一羽での移動に挑戦したとしたら、途中リタイアしてしまう確率は、グッと高まってしまうように感じませんか?
さらに、もっと極端な例を挙げましょう。もしその鳥たちが、親鳥を始めとする群れの仲間たちの姿を、雛の頃から全く目にすることなく成長したとしましょう。その子供は、自分に翼があること、飛ぶ能力があることに、気付くことさえないかも知れません。
つまり、たとえ能力があっても、周りから「必ず出来る。君には翼がある。第一君は鳥じゃないか」という情報がなければ、その能力が十分に発揮されることはない訳です。
その情報こそが、コミュニケーションによってもたらされます。会話して、意思疎通する、ということだけが「コミュニケーション」ではありません。
いつも、「力を合わせればきっと出来るよ」と、互いを励まし合い高め合うエネルギーを、その場に満たす原動力になり得る。コミュニケーションは、その集団全体の意識を決定付けるとも言える、とんでもなく重要な要素であることが分かります。
我々だってみんな「翼」を持っている
人類の歴史が始まって一千万年程だそうですが、それ以前の何らかの生命が誕生したところからの記憶を、現在の人たちもそのDNAに刻んでいます。
今ここに居る人たちは、途方もない困難と試練に、勇気と決断を持って打ち勝ってきた歴史を、全員が後ろ盾として持っています。
翼どころではない、どんな夢でも叶えてしまうであろう強力なパワーを、普段あまり意識することは出来ませんが、もう既に手にしてしまっているのです。
それをお互いが開示し合い、認め合い、励ましあい、背中を見せ合う。良い波動を持った集団は、さらに良い影響を与え合って高い意識を持つ連鎖を生むでしょう。
その時この世の中は、今よりもずっと良い気に満ちたものとして在るはずです。場のエネルギーが人の能力を引き出し、さらに次の人を育てるのです。
共同体の発展欲求
自分の所属する共同体が発展していくことが、自分の個人的な自己実現よりもさらに高次な欲求である、と湯ノ口さんは唱えておられます。いわば、「社会貢献への欲求」です。
コミュニケーションが持つ、人を変えるエネルギー、成長させるエネルギー、そして組織を変えるエネルギーを、人財育成という形で、特に中小企業の発展に生かしたい。そして、それを世界に向けて発信して、世の中を少しでもよくすることに貢献したいという野望を持っておられます。
言葉に出来ません。素晴らし過ぎます。
社会の発展に自分を活かしたい
最初に書いたように、現状では、僕はなんとなくモヤモヤと毎日を過ごしてしまっています。
この本が、そんな僕でも何らかの形で社会貢献できる道があるのではないかと思わせる、幾つかの教えの一つになったことは間違いないです。
読み進めていくうちに、自分にも出来るんじゃないかという気持ちと共に感じた「ワクワク感」を、何よりも大切にして拠り所としていきたい。パッと将来が開けたような気がしたことを忘れずに歩みを進めたいのです。
この本にある、背中をグッと押してくれる一文を最後に…。
「夢は、見ているときにはただの夢にしかすぎません。しかし、それに向かって歩み始めれば、夢は目標になります。」