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僕の魂が海を渡って行ったり来たりする物語

小豆島から大阪へ流れ着きました

高松商業復活劇の裏側 〜老舗が変化を厭わなくなったら無敵〜

「目標」であり続けて欲しいです

 
香川県高校野球ファンにとっては、やはり高松商業のブランド力は群を抜いています。「古豪」という呼び方が、これほどまでにしっくりとくる学校は、少ないですよね。
 
「古豪」がしっくりくる、ということは、最近はパッとしないことの裏返しでもあったわけで、事実僕の世代でさえも、「強い高商」を見た記憶はありません。甲子園でも、1回勝つのがやっと、のイメージがあります。勝てない時代がホントに長かったです。
 
今年の春の「復活劇」は本物だったのか、その答えを出すのはまだ早いですが、多くの高商ファンが待ち望んだ大躍進であったことに、間違いはありません。
 

55年ぶり決勝戦

春のセンバツでは、1960年優勝、1961年準優勝以来の決勝進出でした。夏について言うと、2回の決勝進出はともに戦前のことです。国体での優勝は1958年ですから、その輝かしい戦績を示すストッキングの5本線は、完全に「過去の栄光」になっていたと言えます。
 
数多くの名選手を輩出した名門に有り勝ちな話ですが、得てしてこういうところでは、「外野」がうるさいです。OB会が絶大な力を持つであろうことは、想像に難くないです。過去には、有力OBが練習中に監督をネット裏へ呼びつけて叱り飛ばす、といった光景も見られたとか…。そんなチームが纏まるとは思えません。
 
チームのあり方が時代に合わなくなっていることを、察知し切れていなかったのかも知れません。
 
商業高校では女子生徒が多数派になっていること、県内の私学が次々と野球に力を入れるようになったこと、もちろんそれらも大きな低迷の要因にはなったでしょう。
 
好転の兆しはありました。近年、「惜しい!もう一歩で甲子園だった」という結果を時々見せてくれるようにはなっていました。
 
それをさらにグッと押し進めるきっかけになったのが、長尾監督の就任だったのでしょう。高商OBではない監督を受け入れる決断に、かなりの危機感は見て取れますが、それでも相当な反発もあったようです。学校も部長も、それを抑え込むのに躍起だったとか…。
 
中学校での指導を通じて監督に信頼を寄せるようになった、県内の有望な選手たちが高商に結集し、今の主力選手に育ちました。やっと勝負できる体制になりました。
 
 
 

sportiva.shueisha.co.jp

 

 

そうは言っても、昨秋の四国大会香川県予選決勝での、対小豆島戦を見る限り、正直なところ「今年も大したこと無さそう…」と思いました。小豆島高校には悪いですが…。

 
 しかし、その後の四国大会と明治神宮大会を接戦続きの中で制したことが、短期間でのチームの急成長を促しました。危ない試合ばかりでしたが、選手も周りも〝その気〟になってきたのが、外から見ていても感じられました。
 
「勝つ味」を思い出したということでしょうか。伝統校が波に乗ってきたら、手に負えません。
 
「強い高商」を、僕はこの春初めて見ました。
 
 
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「今」は次の瞬間には、「過去」になってしまいます。もちろん、経験は何事にも代えがたいものではありますが、その上に胡座をかいているだけでは、あっという間に置いていかれます。
 
大きな夢に向かって、革新と変化を厭わないこと。それは絶対条件です。そこに自信と誇りが備われば、向かう所敵なし状態になれます。過去からの延長線上を進んでいるという落ち着きと確信は、伝統のユニフォームを着ることでしか得られません。
 

夏はどうでしょう

現メンバーの最後の夏に、楽しみは移っています。革新を体現してきた彼らが、その集大成として見せてくれるであろうドラマに、今からワクワクします。


 そうか、「変化」やね。


 見ている我々をも引き込んでしまう感動の元にあるのは、つまり「変化」であり「成長」であるわけです。よく分かります。

 
我らが小豆島高校も、「変化」をテーマに新しいバージョンのチームへと脱皮を図っているようです。センバツでは初戦で負けているわけで、このままで良いわけがないのは分かりますが、一定の成果が出た後でそれを一旦壊してしまうのは、とても勇気の要ることだと思います。けれど、そんなことは言ってる場合ではありません。さらに逞しくなっていくチームを見てみたいです。
 
ある意味、全国でも屈指の注目地区となっている香川県に、切磋琢磨の気運がさらに高まってくることでしょう。