すぐ足元にある絶景ではないけど名所 〜半島の人の拠りどころ花寿波島〜
小豆島の観光パンフレットなんかを見ると、これこそ小豆島の風景だ!という写真が何枚も載っていますよね。
オリーブ公園の風車だったり、土庄港の平和の群像だったり、寒霞渓の紅葉であったり。
バカらしいとは思いながらも、写真で見た景色を目の当たりにして、「写真で見た通りや!」と安心してしまうことってあります。(誰かの経験を後追いしているに過ぎない)
けど、人の心理として理解できない訳ではありません。その意味で、新しい「これこそ小豆島」を発見・発信していくことは、観光PR上も重要なことだと感じます。
三都にある観光資源って何でしょう
僕の地元の小豆島の三都。「みと」と読みます。牛の形の小豆島の前脚が三都半島。「三都はイイです!」と小豆島のお友達が何人も言ってくれるのを、嬉しく聞いたことがあります。
子供の頃から当たり前のように見ていた風景を、ある種の憧れの的として見ている人がいることを知りました。
その風景の重要なポイントの一つであると、僕が勝手に決めている「花寿波(はなすわ)」
三都半島の一番先端に近いところの東海岸の穏やかな風景は、確かに言われてみればギリシャ風でありアドリア海っぽい雰囲気も併せ持っているのかも?(行ったことないから分からないけど…)
そこにポツンと浮かぶ、花寿波というなんとも優美なネーミングの、島というかデッカイ岩が、キュッとアクセントになってイイ味出してるんです。
伊勢の夫婦岩みたいな感じだと思っていただけると分かり易いはずです。あれよりはもっと大きいですけど…。
今はもちろん綺麗に舗装された道から見ることができますが、うちの親が小学校に通っていた時分と言いますからザッと6、70年前はまだこの海岸に立派な道はなく、ガードレールも何もないやっと人が歩ける程度の道が、岩肌に張り付いていたらしいです。子供たちがその道を歩いて通学する訳ですが、荒天の日などは下手をすると波に拐われてしまうのではと思えるほどの危険度で、波が打ち寄せるタイミングを避けてみんなで一斉に走って通り過ぎた、とかとても信じがたい話を聞いたことがあります。今なら大問題になりかねない。
そんな戦前のドラマかと思われるほどの歴史も詰まったこの風景に、ただ静かに浸っていたい時に海辺に腰を下ろしてみて下さい。
僕は、季節がいい頃には大抵ここの吉ヶ浦の浜で寝ています。冬はさすがにそんなことは出来ないので少し寂しいです。